日本建設業連合会(日建連)東北支部(大橋成基支部長)と東北各県が公共事業や建設産業の課題を議論する2025年度意見交換会が12月23日の秋田で全日程を終えた。社会資本整備の重要な役割を担う建設業が発展し続けるため、担い手確保を中心に認識を共有。さらなる働き方改革、処遇改善へ議論を深めた。大橋支部長に意見交換の成果や今後の対応を聞いた。
◇誇り持てる業界へ連携強化
--意見交換会の成果をどう見る。
「1年が経過した時間外労働罰則付き上限規制への対応や最重要課題である担い手確保などについて積極的に意見を交わした。各県に技能労働者の処遇改善に向けた建設キャリアアップシステム(CCUS)活用への課題意識を持ってもらえたことが印象的だ。官民双方で人材を確保し、社会資本整備の使命をまっとうしてくためにもさらなる連携が必要だと感じた」
--安定・継続的な予算確保、発注平準化も重要なテーマとなっている。
「強靱化やインフラ老朽化対策などに必要な予算確保へ積極的な姿勢を感じた。われわれも第1次国土強靱化実施中期計画をはじめ、持続可能な社会の実現に貢献していく。平準化率はゼロ債や柔軟な繰り越しなどにより岩手、宮城、秋田、山形の4県が全国平均を上回っている。閑散期の解消や技術者、技能者の安定的な雇用につながるため、関連施策の手続き簡素化と併せて要望し続けたい」
--現場の生産性向上はますます重要になる。
「各県ともDXの取り組みは着実に進展しているが、特定の技術を導入するだけでは効果が限定的になってしまう。BIM/CIMでの3D設計、電子入札・契約、ICT施工、遠隔臨場、電子書類での完成検査など一連のシステム構築がさらなる生産性向上につながる。実現に向けて発注者に働きかけを継続する。ASP(情報共有システム)に関して、導入は進んでいるが紙ベースとの併用により手間が増えるケースが散見される。宮城県では研修などで職員への教宣にも取り組んでおり、同様の取り組みをほかの発注機関にも広げていただきたい」
--さらなる働き方改革に向けた課題は。
「市町村にも積極的に働きかけており、現場の週休2日工事が確実に広がっている。完全週休2日を達成するためには適切な工期設定はもちろん、実情に応じた柔軟な見直しや追加費用など現場に寄り添った施策を強化してほしい。加えて『酷暑期は休み、施工可能な時期にまとめて働きたい』といった新たなニーズも出てきている。今後の要望事項への反映も視野に入れていきたい」
--最重要課題の担い手確保への取り組みを。
「処遇改善に向けてCCUSの登録率向上や実際の賃金、評価に反映される仕組みを確立することが重要。発注者に総合評価の加点幅の拡大などインセンティブ付加を求めるとともに、技能者のキャリアパス形成支援や賃金水準のベンチマーク設定など具体的な活用方法も提示していく。若年層向けのインターンシップをはじめとする体験型メニューを用意したり女性、外国人の活躍を支援する環境整備などを強化したりするべきだ。建設業のかっこよさを将来の担い手に効果的に伝える戦略的広報活動を各県と連携して展開することも大切になる」
--さらに深掘りしたいテーマは。
「引き続き、担い手確保と仕事量の確保が要望活動の大きなウエートを占めるだろう。建設業に従事する皆が自分たちの仕事をかっこいいと思い、誇りが持てる業界にするため継続して取り組む」。








