国交省/老朽庁舎の対策手法検討/各地の重要拠点で、都市計画制度など活用視野に

2026年1月20日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は全国各地のエリアごとに災害時の重要な拠点となる官庁施設を対象に、中長期的な老朽化対策の在り方を検討する。官庁施設の老朽化が急速に進行する中、個々の施設の更新や長寿命化改修といった従来手法だけでは将来的に追い付かなくなると判断。各エリアの都市計画や建築規制を踏まえ、関連制度の活用による効果的な再整備手法などを総合的な視点で探る。まずは老朽化庁舎の現状や制度活用の課題などの調査に着手する。
 国交省の調べによると、築30年以上となる国の官庁施設は年々増加し、2025年3月時点で57・2%(床面積ベース)に達する。官房官庁営繕部は災害時の応急対策活動を支える各地域の合同庁舎などの防災拠点で優先的に対策を検討する方針だ。
 こうした庁舎は一定のエリア内に集積し、一団地の官公庁施設などの都市計画が定められていることが多い。都市計画諸制度の活用による面的な再整備など、さまざまな可能性を検討する余地がある。
 関連制度活用の課題などの調査を「官公庁区域及び老朽化庁舎に関する基礎調査等業務」として民間委託する。簡易公募型プロポーザル方式で23日まで参加表明書を受け付ける。特定のエリアを選んで検討を深めることも視野に入れる。同時に「官庁施設における民間収益事業の導入可能性等に関する調査検討業務」の委託先も公募。PFI事業を老朽化対策の手法の一つと見込み、施設管理者などのヒアリングなどでニーズを把握する。
 合同庁舎は全国に約370施設(総延べ床面積約400万平方メートル)がある。築30~39年の改修時期に当たる合同庁舎は年10万平方メートルの高い水準で今後推移する予定。更新の検討が必要な築65年以上の合同庁舎は30年代後半まで80万平方メートル程度に急増すると試算する。自民党の「官公庁営繕を考える議員の会」が25年10月に採択した緊急決議でも、このままでは防災拠点の重要な役割を果たせなくなると懸念し「災害時の重要拠点となる老朽化庁舎の在り方を早急に検討すること」を政府に求めていた。