清水建設、東京科学大/建築生産で研究拠点開設/建替・改修に代わるモデル構築へ

2026年8月19日 企業・経営 [3面]

文字サイズ

 清水建設と東京科学大学は、建て替えや改修に代わる新たな建築生産モデルの構築に向けた共同研究に着手した。17日に都内で調印式を開き、大学内に産学の研究拠点を新設。構造体の再利用技術と外装のリノベーション技術を掛け合わせ、新築にも劣らない構造・環境性能や意匠性を持つ建物に再生する「建設アップサイクル」を築く。共同開発した技術を早期に実プロジェクトへ適用する方針だ。
 「清水建設みらいの建築生産協働研究拠点」を立ち上げた。拠点長には吉敷祥一東京科学大教授が就いた。既存構造体の再利用と外装リノベーションの技術革新を担う。設置期間は2029年7月31日まで。
 清水建設が持つ建設プロジェクトの専門的知見と、東京科学大の多様な学術的知見を融合し、建設アップサイクルの実現に必要な研究や技術開発を行う。新築よりも低コストかつ短工期で、既存建物を高い資産価値と魅力を持つ建物に再生し、アップグレードする新たな建設生産モデルを構築。スクラップ・アンド・ビルドの発想を転換し、サーキュラーエコノミー(資源循環)の実現にも寄与する。
 両者は今後、建材メーカーなどの積極的な参画を促す。新技術の開発と同時に、得られた成果の早期適用を目指す。
 柱や梁、床など構造体の一部を再利用し新たな建物を建てる手法は、既に実践されている。だが既存建物を再利用する際、健全性評価手法や耐用年数の予測方法、判断基準が確立されていないという。外装のリノベーションは既存の外装材をベースに機能を付加する手法が中心で、デザインの自由度は高くないのが現状だ。