ゼネコン各社/熱中症対策にあの手この手/変形労働時間制や装備拡充

2026年8月20日 企業・経営 [1面]

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 厳しい暑さが続く夏季の建設現場で、ゼネコン各社が熱中症対策に工夫を凝らしている。体調の変化を速やかに発見し、熱中症の重篤化を防止するツールや設備・装備を一段と充実。特に変形労働時間制を導入し、作業時間全体の短縮や比較的涼しい早朝への始業時間変更などで対応する社は多い。引き続き万全の対策と細心の注意を払い、安全最優先の現場運営で厳しい残暑を乗り越えていく。=3面に関連記事
 熱中症対策の新たな試みで今夏に相次いだのが、夏季限定で導入した変形労働時間制やサマータイムだ。大林組は、全社方針として午前8時~午後5時だった作業時間帯の標準を、午前7時~午後1時に変更・短縮した。鹿島は推奨事項として、工事事務所ごとの判断で1カ月単位の変形労働時間制を展開している。
 前田建設も午前7時~午後3時に作業している。別の準大手ゼネコンは現場条件に応じ、早出や時短、休憩、これらの複合というパターンに分けて柔軟に対応。青木あすなろ建設も条件が合ったモデル現場にサマータイムを導入した。鴻池組は、変形労働時間制を期間限定ではなく1年単位で展開している。夏季連続休暇や週休3日制の導入、サマータイムの設定などで対策に万全を期す。
 現場従事者一人一人の健康状態を管理し、適切に対処する現場運営にも気を配る。大成建設は「熱中症予防推進者」を配置。清水建設は重篤化防止に置いていた対策の重点を、熱中症自体の発生予防に転換した。竹中工務店は2026年度から熱中症対策を全社重点施策に位置付け、全作業所の作業環境を改善。五洋建設は「熱中症予防自己チェックシート」をデジタル点検簿で管理する。
 戸田建設や西松建設、鉄建建設、飛島建設らは、作業服の冷却・空調や熱中症の予兆を検知するウエアラブル端末などの機能をさらに充実。長谷工コーポレーションは、東京の現場に導入していたウエアラブル端末の適用範囲を関西にも広げた。安藤ハザマはAIカメラ、三井住友建設はDXの技術も取り入れた。
 小まめな水分・塩分補給も展開している。熊谷組は初めての試みとして、全現場に塩分やクエン酸などが配合された「飲む氷」を配布した。東亜建設工業も水分と電解質が速く吸収・キープできるORSタブレットを支給している。
 気象庁の予報では、西日本を中心に今後も暑い日が続く見通し。災害に見舞われた熊本や千葉は厳しい環境での対応になる。安全衛生対策を担う複数のゼネコン関係者は異口同音に「対策強化の成果と課題をきちんとフィードバックすることが大切だ」と指摘する。