論説・コラム
2025年4月28日[1面]
小説家の大原富枝さんは1940年代初めに上京すると、千葉県銚子市の犬吠埼を訪れた。都内のアパートから遠いかなたの落雷を見て関東平野の広大さに思いが至り、その果てにある犬吠埼に矢も盾もたまらず行きたくなったのだという▼当時目にした岩礁の上に高々と立つ灯台をこう表現する。〈隔絶した孤独に堪えて屹立(きつりつ)する灯台の姿に、言葉につくせない寂寥(せきりょう)と高貴さがあった〉(随筆「犬吠埼」)。昔か…
2025年4月25日[1面]
つつじの名所で知られる根津神社(東京都文京区)で「文京つつじまつり」が30日まで開かれている。今は早咲きの花が終わり遅咲きの花が見頃。まつりの期期中に根津権現太鼓や奉納演芸など多彩な催し物も行われる▼境内では現在、築130年以上たつ木造建築の移築工事が進む。森鴎外が小説「舞姫」などを執筆した旧邸であり、2020年閉館した台東区の旅館「水月ホテル鴎外荘」に保存されていた▼くぎを使わない組み込み式で…
2025年4月24日[1面]
家族でたまに訪れるイチゴ農園は併設するカフェも人気で、摘んだばかりのイチゴを添えたパフェがたまらなく美味だ▼農園は今月半ばからイチゴ狩りの料金を200円下げた。「少しずつ旬を過ぎるから」というオーナーのこだわりなのだそう。今年も甘さと酸味、香りもコクも絶妙だったイチゴ。かき氷の提供も始まったらしいので、旬の時期が過ぎる前にもう一度だけ、味わいたい▼環境省が熱中症の警戒アラート/特別警戒アラートの…
2025年4月23日[1面]
東京・新橋に勤めるサラリーマンの多くが利用する駅前ビル内の飲食店街。和洋中なんでもそろい、平日昼は1000円以下のランチメニューが充実している▼ご飯お代わり自由というありがたい店も多かったが、そのほ…
2025年4月22日[1面]
環境への関心を高める活動として1970年4月22日に米国で「アースデイ(地球の日)」が産声を上げた。同日を選んだ理由は特段なく、「何でもない日にできることをする」というスタイルが事の始まりだとか▼社…
2025年4月21日[1面]
高校生の頃までよく利用していた公立図書館は、戦前に建てられた古い木造の建物であった。木の床を歩いて出るきしんだ音が、静かな館内に響いて困ったのも今では懐かしい思い出だ▼その図書館が移転新築されて久し…
2025年4月18日[1面]
プロ野球が開幕して3週間がたつ。スタートダッシュを切ったチーム、勝ち星を上げるのに苦戦するチームなどあるが、長丁場のペナントレースは始まったばかり。今後の行方を楽しみにしたい▼日本球界に先駆け開幕し…
2025年4月18日[14面]
◇大西麻貴、百田有希両氏の「シェルターインクルーシブプレイス コパル」 村野藤吾記念会(古谷誠章代表)は、第34回「村野藤吾賞」に大西麻貴、百田有希両氏(大西麻貴+百田有希/o+h共同主宰)が設計…
2025年4月17日[1面]
避難所に必要な資機材を48時間以内に届け、被災地での支援を開始するとされるイタリア。衛生、食事、睡眠に必要な機能をセットで提供する支援は「イタリア式避難所システム」と呼ばれる▼同システムを採用した初…
2025年4月16日[1面]
古来、日本人は万物に精霊「つくも神」が宿ると信じてきた。室町時代に描かれた百鬼夜行図には鍋や琴などに宿るつくも神が妖怪に化けた姿で登場しており、物を大切に扱うことを教えている▼愛着のある装飾品などは…