論説・コラム
2025年1月14日[1面]
神戸のメリケン波止場は1860年代に第三波止場として造られた。一説では近くに米国領事館があり、当時の人々が「アメリカ」を「メリケン」と聞き間違えて波止場の名称になったという▼時代は移り変わり、1987年に中突堤との間を埋め立てて造成されたメリケンパークが完成。その東端に位置するメリケン波止場は、95年1月の阪神・淡路大震災で護岸が崩れるなど大きな被害を受けた。現在は被災した波止場の一部がそのまま…
2025年1月10日[1面]
「あなたの役割は定点観察ではないか。人の集う復興が進むよう報道し続けてほしい」。20年余の記者生活で一番突き刺さったひと言だ。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故で混乱の最中にあった2011年5月。福島県南相馬市で知人女性の父に言われた▼商業店舗の経営者として仕事を続けていたが、娘の帰郷は拒んでいた。同市での取材後に知人から託された近況写真を持参した。うれしさや寂しさ、悔しさが入り…
2025年1月10日[16面]
建築へ/建築家・坂茂氏に聞く、美しい物を造るだけで良いのか-
建築家の坂茂氏が、2024年に高松宮殿下記念世界文化賞(日本美術協会主催)を受賞した。国内外でボランティア活動に取り組み、現地の人や若者ら多様な人と連携してきた坂氏。まもなく発災から30年となる阪神・淡路大震災などでの試行錯誤を経て、活動の場が広がっている。権力や資力を持つ相手だけに向くようでは、建築家の存在価値がない--。そうした問題意識が原動力になっている。 □社会要請の変化□ 坂氏は同…
2025年1月9日[1面]
石破茂首相が6日の会見で「令和の日本列島改造」と銘打ち、地方創生の深化により「大胆な変革を起こす」と語った▼政府機関の地方移転を皮切りに、スタートアップの地域創業や大都市に立地する企業の本社機能移転を推進。デジタルを用いて交通や医療・介護などの利便性も高めるという▼コロナ禍以降、東京圏在住者の地方移住への関心は高まっている。内閣府が2023年4月に約1万人に実施したインターネット調査では、同3月…
2025年1月9日[18面]
スコープ/大規模プロジェクト25年に東京都心で多数始動、開発意欲は依然旺盛
東京都の都心3区(千代田、中央、港)では2025年、多数の大規模プロジェクトが本格始動する。六本木五丁目西地区(港区)の再開発は25年度中にも権利変換計画の認可を得て、約9.2haの施工区域内で既存建物の解体に着手する見通し。日本橋一丁目東地区(中央区)は3月にも権変認可を取得し、既存建物の解体に取りかかる。建築費が高騰する中でも大手デベロッパーによる開発意欲は旺盛な状況。東京都心部の25年は2…
2025年1月8日[1面]
今年の正月はのんびり実家で過ごそうと、家族を連れて静岡県の伊豆に里帰りした▼伊豆半島には風光明媚(めいび)な観光スポットが数多く存在する。季節ごとにさまざまな顔を見せ、作家・川端康成も小説「伊豆の旅…
2025年1月7日[1面]
「人は忘れる生き物」と言われるが、甚大な被害が発生した自然災害で得た教訓や知見は決して忘れず、防災・減災につなげていかなくてはならない▼本紙は元日特集号「安全・安心な国土づくり」を発行した。阪神・淡…
2025年1月7日[6面]
年始から地域建設業が奮闘/青森県で豪雪災害の除排雪、岩手県では鳥インフル対応急ぐ
新年の幕が開けてから1週間、東北の建設業界が「地域の守り手」としての役割を果たし続けている。豪雪地帯の青森県では、災害級の降雪に伴い道路の維持に向けた除排雪に対応。岩手県でも高病原性鳥インフルエンザ…
2025年1月6日[1面]
能登半島地震から1年/本復旧へ現場力駆使、建設業への期待大きく
能登半島地震の発生から1年が経過した。2024年1月1日の発災直後から建設業各社がインフラ管理者、行政機関と共に緊急対応を開始。技術力、現場力を駆使し、交通の大動脈の能越自動車道・のと里山海道や、甚…
2025年1月6日[1面]
福島県会津美里町雀林地区で毎年1月7日、伝統行事の「ヘビの御年始」が行われる。五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願し、法用寺仁王門に1年間祭られていたわら製のヘビを子どもたちが担いで家々を回る▼か…