論説・コラム


2026年5月29日[20面]

建築へ/東京建築祭、9日間で200以上のプログラム/多彩な姿と魅力を存分に体感

 「建築から、ひとを感じる、まちを知る」を理念に、今年で3回目を迎えた建築体験イベント「東京建築祭2026」が閉幕した。16~24日の9日間(メインイベントは23、24日)に200以上のプログラムを開催。新たに渋谷エリアが加わり、過去最多の151件の建築が参加した。普段非公開の建築や場所、大使館、大学キャンパスなどを巡り、東京のまちと建築の多彩な姿と魅力を存分に体感してもらった。  主催は実行委員…

2026年5月28日[1面]

回転窓/スポーツと防災の基本

 警察官からスポーツトレーナーに転職した知人が、ある団体球技のクラブチームで指導を始めた。幼児にも中学生にも「首を振るのではなくて、見るを意識して」と繰り返し伝えている▼知人は指導者教育も踏まえ、多くの団体球技は技術とともに認知と判断、実行の能力が基本と考えているのだそう。状況ごとに最適な動作を選択し、技術を駆使して実行できるのが優れた選手の資質だと聞いた▼状況を正しく見る力は、競技だけでなく命を…

2026年5月27日[1面]

回転窓/成功のチャンスは反対

 コンビニエンスストアは文字通り、便利の象徴である。24時間、買い物をはじめ公共料金の支払いや宅配などあらゆるサービスが利用できる。毎日利用する人も多かろう▼上下水道や電気・ガスと同様、生活に欠かせない社会インフラとなった今も店舗網を広げている。経済産業省の商業動態統計によれば、2025年時点でコンビニ店舗数は前年比3・4%増の約5・6万店となった▼コンビニは現代社会の生き写しとも言われ、流行にと…

2026年5月26日[1面]

回転窓/誰かの隣で生きる

 人は一人でも生きていける。けれど、心豊かに生きるには、誰かの存在が欠かせないのだと思う。誕生日という節目は、祝われる側だけでなく、「おめでとう」と声を掛ける側にも、相手の人生の隣に自分がいることを、静かに感じさせてくれる▼年齢を重ねるほど、人と理解し合う難しさを知る。近しい間柄であるほど、言葉は省かれ、思い込みが増えていく。「分かってくれているはず」という期待はときに、小さな影を心に落とす。それ…

2026年5月25日[1面]

回転窓/紙芝居に見る伝え方

 昭和初期の紙芝居で代表的なヒーローといえば「黄金バット」。後にアニメ化もされて人気を誇ったが、ある本を読んで興味深い誕生の経緯を知った▼元々の主人公は怪人「黒バット」。次々と作品が続いていくうちに強くなり過ぎ、この主人公と対決させるために登場したのが黄金バットだったという。まさに「突如あらわれたる正義の味方」であった(上地ちづ子著『紙芝居の歴史』から)▼かつて流行した大衆芸能の中で、「立絵」に携…

2026年5月22日[1面]

回転窓/東京の魅力を再発見

 赤れんがは一つ一つ色や形に違いがあり、風合いが時間の経過を感じさせる。都内にも東京駅丸の内駅舎や法務省旧本館など多くの赤れんが建築が現存するが、東京芸術大学の正門を入って左側にある「赤レンガ1号館」が最古だそうだ▼1880年に教育博物館(国立科学博物館の前身)の書籍閲覧所書庫として建てられた。設計は、西洋の建築技術を学んだ工部省技官の林忠恕(35~93年)が手掛けた▼1978年に解体が決まったが…

2026年5月21日[1面]

回転窓/幸せなジョギング

 先週、診察を終え病院から出てきた中学生が、不安そうにゆっくりと走り出すところを見かけた。地面の反発を懐かしむように全身で受け止め、感謝の気持ちを込めたような走り方だった▼腰のけがで4カ月ほど走れなくなっていたが、この日に評判の名医が「うん、もう大丈夫」と診断してくれたという。全力疾走するのはもう少し先になるそうだが、幸せでいっぱいな笑顔のジョギングをいつまでも眺めていたかった▼ここの病院は、プロ…

2026年5月20日[1面]

回転窓/0と1が紡ぐ世界と人間らしさ

 〈こんにちは。ご用件をお話し下さい〉。駅構内に設置してあるAIロボットに、乗り換え方法などを質問する光景を見かけた。正確な情報を多言語で教えてくれるロボットはインバウンドにも評判がいいようだ▼ロボットによる案内は利用者の多い主要各駅に導入されている。都内なら地下鉄の新橋駅などで見ることができる。地図アプリと組み合わせれば、行ったことのない場所へも難なく行ける時代になった▼今では仕事に欠かせないA…

2026年5月19日[1面]

回転窓/思い入れと思い込みの境界線

 思い入れと思い込みの差は、しばしば紙一重の顔をして現れる。改革に情熱を注ぐ者が、周囲の声に耳を傾けて軌道修正を重ねるなら、それは思い入れだ。けれども、同じ情熱が「必ず成功するはず」という慢心に変わり、不都合な事実を退け始めた瞬間、思い込みに姿を変える▼哲学者ニーチェは「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」と説いた。この言葉には洞察と危うさが同居する。物語に酔い始めたとき、暴走…

2026年5月18日[1面]

回転窓/思い出の残し方

 かつて愛用していたフィルムカメラを、家の引き出しにしまったままどれくらいの年月がたっただろうか。いつしか便利なデジタルカメラに興味が移り、すっかり縁遠くなってしまった▼2年前の本欄で、若者の間でふた昔ほど前に発売されたコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)がブームになっていることに触れた。人気は続いているようで、理由がいくつか挙げられている▼その一つは、スマホとは違う風合いの写真を撮れること。どこ…

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