論説・コラム

回転窓/手軽さ便利を転換 [2021年6月10日1面]

 1971年9月に発売された日清食品の「カップヌードル」。ふたを開けて熱湯を注いで3分待つだけという手軽さもあり、新たな食文化として世界に広まった▼発売50周年を迎える今年、環境保全の取り組みの一環で、カップヌードルのふた止めシールの廃止を決めた。プラスチックの使用量が年間33トン削減できるという▼カップ底部の包装フィルムに付けられたふた止めシールにはフィルムを開封しやすくする狙いもあった。シール...続きを読む

回転窓/文化財の事前防災 [2021年6月9日1面]

 2016年の熊本地震で被災した阿蘇神社。倒壊した重要文化財の楼門から建立に携わった棟梁(とうりょう)や職人の名前、出身地などの墨書が見つかった▼墨書は震災前から知られていたが、部材の裏側に書かれていたため詳細は不明だった。それが皮肉にも地震で倒壊したため、墨書の全容が明らかになり、木材の原産地や資金集めが難航し工期が遅れたことなどが分かった▼国内には歴史的な文化財がたくさんある。だが楼門のように...続きを読む

回転窓/伝える、伝わる [2021年6月8日1面]

 16日に会期末を迎える通常国会。新型コロナウイルス対策や開会式まで50日を切った東京五輪の対応、今秋までに行われる衆院選…。課題は山積状態だが、政府与党は会期を延長せず国会を閉幕する方針という▼昨日は首相が出席した参院決算委員会、9日には2年ぶりの党首討論が行われる。報道機関の世論調査を見ると内閣支持率は低下傾向にあるよう。今国会最後のヤマ場を迎え、攻勢を強める野党。論点を微妙にずらして答える、...続きを読む

回転窓/前川國男のデビュー作 [2021年6月7日1面]

 机の中を整理していると手のひらサイズの建築模型が出てきた。約10年前に取材した建築家からの頂き物。モダニズム建築の巨匠、前川國男(1905~86年)のデビュー作「木村産業研究所」(青森県弘前市、32年)を精巧に再現している▼模型には資料復元と注釈がある。建物を実測して図面を描き、凍害により数年で取り除かれたバルコニーも含め竣工時の状態が復元されている▼取材当時、前川建築を大切にしたいと願う地元市...続きを読む

回転窓/電子市民制度 [2021年6月4日1面]

 石川県加賀市が電子上の市民を募り、さまざまな分野で官民サービスを提供する「e-加賀市民制度」を始める。法令上の市民とは別に電子市民を位置付けて、同市に来てもらう動機付けにつなげる。日本初の試みだ▼加賀温泉郷で知られる古くからの観光地だが、近年は人口と観光客の両方が右肩下がり。1980年代に約400万人だった観光客は、2019年に約180万人となり、コロナ禍の影響を受けた20年は約100万人と4分...続きを読む

回転窓/氷河期の行方 [2021年6月3日1面]

 6月に入り来春卒業予定の学生らを対象にした採用選考が本格化する。昨年に続いてコロナ下の就職活動となり、オンライン方式での面接が主流に。緊急事態宣言が延長され、対面からオンラインに急きょ変更した企業も見られる▼厚生労働、文部科学両省が先月まとめた今春卒業の大学生の就職率(4月1日現在)は96・0%となり、前年同時期に比べて2・0ポイント低下。1997年の調査開始以来、過去最大の下落幅となったリーマ...続きを読む

雲仙・普賢岳大火砕流から30年/無人化施工の高度化と普及に大きな役割 [2021年6月3日1面]

 1991年6月3日に発生した雲仙・普賢岳(長崎県島原市など)の大火砕流から30年を迎える。国土交通省の直轄砂防事業は3月にすべて完了。最前線で事業を進めた雲仙復興事務所は2020年度末で閉所した。長崎河川国道事務所に新設した6人体制の雲仙砂防管理センター(西島純一郎センター長)が後継組織となり、溶岩ドームの挙動を監視しながら砂防管理を続けている。
 有明海へと注ぐ水無川上流に設定した人の立ち入...続きを読む

中小河川の維持管理-都道府県・政令市の3割が計画未策定/復建技術コンサル調査 [2021年6月2日1面]

 地方自治体による中小河川の維持管理に課題があることが、復建技術コンサルタント(仙台市青葉区、菅原稔郎社長)の調査で明らかになった。都道府県や政令指定都市の約3割が河川維持管理計画を策定していなかった。地球温暖化の影響とみられる河川氾濫が全国で頻発している。
 同社は地域の関係者が連携し中小河川の適正な維持管理に取り組むよう求めている。
 調査は東北大学災害科学国際研究所やサーベイリサーチセン...続きを読む

回転窓/二つのCCUS [2021年6月2日1面]

 職業柄、毎朝出社するとまず新聞各紙に目を通す。記事が抜かれていないかどうか。気になる記事をチェックする▼先日、ある見出しにドッキリとした。「CCUS CO2を貯留・再利用」(日本経済新聞5月21日付)。建設業界でCCUSと言えば建設キャリアアップシステムを指すが、どうも違う▼「Carbon dioxide(二酸化炭素)、Capture(回収)、Utilization(利用)、Storage(貯留...続きを読む

回転窓/そうだよね、そうそう [2021年6月1日1面]

 「会社へは 来るなと上司 行けと妻」--。第一生命保険は先週、毎年恒例のサラリーマン川柳(サラ川)の人気ベスト10を発表した▼世相を反映しさまざまな作品が応募されるサラ川。今回は長引くコロナ禍を受け、職場や家庭で味わった悲哀を題材にしたものが多かった▼社命で在宅勤務の目標達成に躍起な上司、仕事とはいえ日中家にいられては迷惑と夫に出勤を勧める妻。板挟みになっている夫の心情に「そうだよね」と共感する...続きを読む

回転窓/自転車文化の振興後押し [2021年5月31日1面]

 「保険どうしてます?」。条例を改正し、いわゆる自転車保険への加入が4月から義務化された千葉市の小学校や自転車屋で、保険加入の対応が話題になっていると聞いた▼高額な賠償請求に至る事故が増え、被害者だけでなく加害者も守るために加入が必要という。保険商品が多い中で、自動車保険などの特約に個人賠償責任保険が付帯されていることがあり、加入済みの保険の確認を求めている▼市は「ちばチャリ」と銘打って、走行レー...続きを読む

回転窓/コミュニケーションも変革を [2021年5月28日1面]

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とともにコミュニケーションの変革が大切--。コミュニケーション戦略研究家の岡本純子さんが指摘していた▼共感を得るには、伝える側のエネルギーが重要になるという。リモートのやりとりが増えているが、岡本さんはなるべく手を見せるように工夫しているそうだ。人は論理だけでは動かない。身ぶりや手ぶり、目線などが加わると印象が違ってくる▼コミュニケーションツールが増えて、...続きを読む

回転窓/月に願いを [2021年5月27日1面]

 昨晩は約3年ぶりに皆既月食が全国で起きた。梅雨空にやきもきしながら、地球の影に入って赤黒くなった満月を眺めた方も多かろう。地球との距離が今年最も近くなるスーパームーンと重なり、幻想的な天体ショーに各地で盛り上がったようだ▼天空に浮かぶ月への関心は今も昔も変わらない。米国のアポロ計画により、1969年7月に人類は初めて月面着陸に成功。宇宙船「アポロ11号」のニール・アームストロング船長が月面への第...続きを読む

回転窓/相次ぐ経済対策 [2021年5月26日1面]

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む国々では大型の経済対策が打ち出されている。感染拡大に歯止めが掛かれば次は経済再生というのは自然な流れだろう▼欧州連合(EU)は加盟国支援のために約116兆円規模の「復興基金」を設置。ドイツのメルケル首相は「ウイルスと共存していくためにはもっと多額の拠出を行う用意がある」と上乗せの意向を示す▼米バイデン政権は「アメリカ雇用プラン」を発表。今後200兆円を超える...続きを読む

回転窓/工夫して運動会を [2021年5月25日1面]

 小学生だった頃、毎年楽しみにしていた行事の一つが運動会だった。開催日の朝、午前6時に鳴った花火の音は運動会が開かれる合図。いつもはグズグズしている朝の用意もその日ばかりはさっさと済ませた▼運動会の開催時期は学校や地域によって違うだろうが春と秋のどちらか。修学旅行や遠足などの予定と重ならないよう調整しているそう。熱中症や天候の安定も考えて梅雨入り前の時期を選択するところが多いという▼子どもたちも楽...続きを読む