論説・コラム
2026年8月20日[1面]
千葉豪雨から今日で1週間。千葉市中央区のJR蘇我駅は、外房線の一部区間が不通のままで東口を代行バスが行き来する。近くの小学校は前の歩道が陥没し、営業を再開できない店舗もある▼大雨の翌朝、駅周辺で目にした惨状が忘れられない。動けなくなった車がそこかしこで道をふさいでいた。自宅に帰るために、トラクターのバケットに子どもを乗せ、車をけん引してもらった家族がいた。それでも駅から徒歩6分の公園では週末の盆…
2026年8月19日[1面]
観光地として名高い栃木県の日光は、数多くのダムを抱える地域でもある。鬼怒川の温泉街から車で40分も走ると、上流エリアに点在するダムの一つ、湯西川ダムが姿を現す▼完成は2012年と、国が管理する五十里、川治、川俣の3ダムに比べて新しい。国内で標準とされる重力式コンクリートダムは、大雨の際に洪水を調整したり、工業や都市用水として下流域に水を供給したりと、多くの機能がある▼水陸両用車で湖からダムを見る…
2026年8月18日[1面]
権力は、成功では腐らない。腐らせるのは、その座への執着だ。国際サッカー連盟(FIFA)が進めていたワールドカップ事業の売却構想は、加盟団体の強い反発を受けて撤回に追い込まれた。世界最大のスポーツイベントを金融商品として扱おうとした発想は、組織運営のゆがみを浮き彫りにした▼背景には、トップの独断的な姿勢への不信も透けて見える。どれほど巨額の資金を動かし、いくら人心掌握にたけていても、それだけで組織…
2026年8月17日[1面]
連休明けの仕事はどうも憂鬱(ゆううつ)になる--。多くの人に思い当たることではないだろうか。どう乗り切るかは人それぞれだが、有効な手だてがあるなら参考にしたい▼総合事務用品メーカーのプラスが、オフィスで働く人を対象に行ったアンケート(2023年)で、お盆休みなど長期休暇の後に「出社したくない」と思うことがある人は全体の8割超に上る。そんな気分を克服するには、「週末に楽しい予定を入れて、それに向け…
2026年8月7日[1面]
熊本の地がまたも震度7の激震に襲われた。猛暑と断水が続き、被災者らは厳しい生活を強いられている。暑さの中での避難生活や復旧活動と、水の確保や供給という二つの問題が同時に顕在化した▼「水の日」の8月1日に都内で開かれた「水未来会議2026」(日本水フォーラム主催)を取材した。水問題に関心を持つ高校生が「水が豊富に使える日本人は、災害などで水の適量が変わった時の知恵を持っていない」と指摘し、はっとさ…
2026年8月6日[1面]
8月に入って花火大会が多く開かれている。26年熊本地震の被災地では中止になった大会がある一方で、新潟の長岡花火は熊本の被災地の復興も願って打ち上げられた▼大気が不安定な季節であって、今年の東京の隅田川花火大会は光と音の合間に稲光と雷鳴が混じった。主催者がSNSで急な大雨に注意を呼び掛けたが、混雑でスマートフォンがつながりにくく、気象情報をすぐに確認できない場所があった▼大雨になるような天気の急変…
2026年8月5日[1面]
夏祭りや花火大会のシーズンが到来した。都内では7月25日に隅田川花火大会が開かれ、前年に比べ2万人ほど多い95万人が訪れたという。今週は全国屈指の人気を誇る東北三大祭り(青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、仙台七夕祭り)も予定されている▼夏祭りの起源は、この季節に流行しやすい疫病の退散や災害防止などを願う厄よけの祈りにある。人と地域を結ぶ交流の場としても大切な役割を果たし、各地で長い歴史を紡いできた▼…
2026年8月4日[1面]
橋梁業界を取材していた頃、ある橋梁会社のトップに聞いた話が忘れられない。その人は長大橋建設に携わり、幾多の苦難を乗り越えた。「一番うれしかった瞬間ですか」と尋ねると、少し照れながら「違うよ」と首を振った▼完成した橋を家族と車で渡った時のこと。かわいがっていた孫が「じいじってすごいね」とつぶやいた。その一言に涙が止まらなくなったという。橋づくりに人生を懸けた技術者にとって、それは何よりの勲章だった…
2026年8月3日[1面]
日本自動車連盟(JAF)の機関誌『JAF Mate』最新号が、47都道府県のご当地アイスを特集している▼地元で愛されているアイスを読者にアンケートした。名産のピーナツやしょうゆ味のソフトクリームなど、これほど多くのご当地アイスがあることに驚く▼年齢を問わず広く親しまれるアイスは、時に希代の美食家もうならせる。陶芸家で料理に造詣が深かった北大路魯山人は、ハワイの飛行場でおいしいアイスを食べ、「コク…
2026年7月31日[1面]
出身地やゆかりのある土地を背負って土俵に上がる郷土力士の活躍は、うれしいものだ。26日に千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所。静岡県で育った小欄は、同郷の関脇・熱海富士が県内出身力士として初優勝をかけて臨んだ本割と優勝決定ともえ戦のテレビ中継を、手に汗を握って見守った▼本割で関脇・安青錦を押し出しで破って12勝で並び、優勝決定のともえ戦に持ち込んだ。ともえ戦では大関・霧島を押し出しで下したものの、優勝…