論説・コラム

回転窓/遺産の価値 [2018年5月30日1面]

 出張でインドを訪れた際、仕事の合間にタージ・マハルを訪れた。総大理石造りの巨大建築は存在感があり、思わず息をのんだ▼当時の権力者が妃(きさき)の墓として17世紀半ばに造らせた建造物は、多くの人を引き付ける魅力がある。建造物のみごとさに加え、長い歴史が遺産の価値をさらに高める▼現地の人たちには観光客を呼び込む地域資源であり、遺産を次代に受け継ぐ保存・補修活動に官民で取り組む。世界遺産の価値を守るこ...続きを読む

回転窓/情報発信の本義 [2018年5月29日1面]

 「建設業界だけでなく、多くの一般市民にわれわれのことを知ってもらいたい」。最近、取材活動でそうした話を耳にする機会が増えた▼個人の設計事務所など小規模な企業ほど、自社の取り組みを世に伝えたいという思いが強いようだ。かつてのような右肩上がりの成長が期待できない市場環境にあって、彼らは建築界の将来に強い危機感を持ち自らの歩むべき方向を真剣に考えている▼取材を通じ、何としても会社を存続させるという気迫...続きを読む

回転窓/景観を引き立てる建築へ [2018年5月28日1面]

 2020年東京五輪のメイン会場として建設が進む新国立競技場(東京都新宿区)。最難関とされる観客席を覆う屋根工事が本格化し、スタジアムの全貌が徐々に視覚で捉えられるようになってきた▼5月時点で全体工期の約5割という進捗(しんちょく)。工程計画通りの施工に力を合わせるプロジェクト関係者には申し訳ないが、形が現れてくると早くその全体像を見てみたいと気がはやるのは小欄の筆者だけではないだろう▼建築評論家...続きを読む

回転窓/100年企業の原点 [2018年5月25日1面]

 直面する課題に対峙(たいじ)しながら会社を経営する時、創業時にどんな思いで会社を立ち上げたかを考えることも重要ではないか▼「ようやく100年企業の仲間入りを果たすことができました」。先日、ある専門工事会社の記念式典に出席した。顧客などの来賓を招くことなく、役職員とそこで働く職人だけのささやかではあるが、心温まる会だった▼100年前に1人の職人が立ち上げた会社が、いまでは日々数百人が働く規模にまで...続きを読む

回転窓/浸水から親水へ [2018年5月24日1面]

 川の近くに住んでいると、天気が良い休日などにふらりと河川敷に出掛けたくなる。広々とした空の下、ビールを片手に読書をしたり、家族や気心が知れた仲間とたわいのない世間話で盛り上がったりするのは、何ともぜいたくなひとときだ▼憩いの空間も悪天候になるとその様相は一変する。荒れ狂う濁流を目にすると身の毛がよだち、実際に多摩川も暴れ川として度々、猛威をふるってきた。変化の契機になったのは1914年のアミガサ...続きを読む

回転窓/素敵な街の顔 [2018年5月23日1面]

 夕暮れの東京・丸の内。タキシードとウエディングドレスを着た若い男女が手を取り見つめ合う。街でこんなシーンを見かけたら、多くの方がテレビか雑誌の撮影現場ではないかと思われるに違いない▼実はこれ、ロケーションフォトと呼ばれる撮影サービス。主役の2人をコーディネートするスタッフやカメラマンが付き、街の中で場所やポーズを変えて思い出の写真を撮影していく。東京駅と丸の内周辺は人気の撮影スポットのようだ▼昨...続きを読む

回転窓/就活戦線もそろそろ終盤? [2018年5月22日1面]

 来春に卒業する大学生らの採用活動がスタートしてから約3カ月、会社説明会などを経て選考活動も終盤戦に入りつつあるのではないか▼先週、文部科学省らが発表した3月に大学などを卒業した人の就職率は98・0%に達し、1997年の調査開始以降で過去最高を記録した。同省が公表したこの春高校を卒業した就職希望者の就職率も98・1%に。この数字からも採用戦線が超売り手市場といわれる理由も分かる気がする▼採用動向は...続きを読む

シリーズ-国のかたちを考える/三井不動産代表取締役副社長執行役員・北原義一氏 [2018年5月21日1面]

 ◇インフラ更新、付加価値生み資金調達
 日本の都市計画・開発や現在の東京都心部の原型を方向付けたのは、1923年に起こった関東大震災からの復興を先導した政治家・医師の後藤新平といわれる。人々が安全・安心に暮らす幸せな社会の構築を目指し、「国家百年の計」を考えて推進した後藤の街づくりのDNAはその後の日本に受け継がれていった。
 あらゆる財やサービスが不足していた戦後の日本は大量生産・大量消費...続きを読む

回転窓/奮闘するシェルパ [2018年5月21日1面]

 ヒマラヤ登山の荷物運搬・案内役や、首脳会談の準備・調整を担う官僚の代名詞として用いられる「シェルパ」。建設業界でも企業の決算発表、受発注者の意見交換に伴う参考資料の作成などの担当者をシェルパと呼ぶようになったと聞いた▼日本建設業連合会(日建連)と発注機関との意見交換会が始まった。行政施策の動向や業界として主張するべき意見の背景について団体幹部を務める自社の経営トップに説明、飛行機や新幹線で本社に...続きを読む

回転窓/土木離れに歯止めを [2018年5月18日1面]

 土木分野の優れた技術や業績、プロジェクトを顕彰する「土木学会賞」に今年は過去最多の111件が選ばれた▼応募総数は昨年とほぼ同じにもかかわらず、受賞件数は10件以上増えた。技術賞は応募12件のすべてが受賞し、高難度の地下プロジェクトが目立った。審査員の一人は「世界がまねできない日本の土木技術の一つが地下構築技術。インフラの輸出を支援する上で日本技術のPR効果も考慮した」と選考の内幕を明かす▼華やか...続きを読む

回転窓/インフラメンテ先進国 [2018年5月17日1面]

 インフラ管理の最適化は、万国共通の課題だろう。高度成長期にインフラ整備が急速に進んだ日本では今、老朽施設の更新対応が本格化。増大する維持・修繕業務の効率化に知恵を絞る▼長年にわたってインフラを管理・運営してきた事業者側は技術・ノウハウを蓄積。点検情報など膨大な関連データを有効活用するため、人工知能(AI)などを導入しながら維持・修繕の高度化に取り組む▼「インフラメンテナンス先進国」として、最先端...続きを読む

回転窓/舟運と若手起業家 [2018年5月16日1面]

 静岡県を代表する観光スポットの浜名湖で新しいクルージングサービスが始まったと知り、2年ぶりに現地を訪れた。実際に利用すると、こんな楽しみ方もあったのかと気付かせてくれる貴重な体験になった▼昨年7月から高級感のあるクルージングボートで水上ドライブが楽しめるサービスを提供するのはオフィスナッツ。浜松市にある光産業創成大学院大学で次世代型観光産業の創出に向けて研究するオーナーの山内秀恭さんが、16年5...続きを読む

回転窓/維持管理にAIを [2018年5月15日1面]

 ここに来て人工知能(AI)という言葉を目にする機会が多くになった。テレビや新聞などでAIの2文字を毎日のように目にする。1950~60年代と80年代に続く3回目のブームは一過性に終わらない勢いがある▼データ分析にとどまらず、銀行が行う住宅ローンの仮審査や、膨大な求人情報から求職者に適した会社情報を選ぶマッチング・サービスなど活用範囲は多種多彩だ▼建設業でもAI活用を模索する動きは活発化する。人材...続きを読む

回転窓/伝統的な涼の取り方に学ぶ [2018年5月14日1面]

 4月下旬までの暑さがうそのように思えた先週の肌寒さだった。季節外れの寒の戻りに慌てて冬服を取り出した方も多かったことだろう▼気象庁が先日発表した3カ月予報によると、5~7月の平均気温は全国的に高いという。安定しない天気が続いているが、暦の上では立夏を過ぎ、今年も暑い季節がやってくる。だいぶ気が早いと分かりつつも、わが家では先日の大型連休中に風鈴を軒先につり下げた▼冷房などない時代に湿気の多い暑い...続きを読む

回転窓/お気に入りの書店がなくなっていく [2018年5月11日1面]

 学生のころ、書店でアルバイトをしていた。昔ながらの小さな店構えだが、店主の趣向で高価な美術書や風変わりな本も置いていた▼勤務時間は午後3時くらいから閉店して片付けが終わる午後10時くらいまで。その間、近所の商店街に雑誌の配達に出向いたり、図書館へ納品したりする以外は、本の整理をしながら店番をしていた。足しげく通ってくれるおなじみさんとの会話は楽しく、プライベートでも親しくさせていただいた方もいた...続きを読む
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