論説・コラム

回転窓/初物尽くしの地下鉄 [2017年10月5日1面]

 地下鉄博物館(東京都江戸川区)に展示されている日本初の地下鉄車両「1001号車」。先月、鉄道用電気車両として初めて国の重要文化財に指定された▼1927年12月30日、東京地下鉄道が東洋初の地下鉄として営業を開始した上野~浅草間(2・2キロ)を走行。その後、68年4月までの約40年間、営団地下鉄(現東京メトロ)銀座線で活躍した車両だ▼車体の難燃化を図るため、当時主流だった木製ではなく、全鋼製(ドア...続きを読む

回転窓/土木史的な視点の大切さ [2017年10月4日1面]

 著名な文学者が鎌倉時代の文学作品と史実について語る講演会を聞いたことがある。多くの聴講者で埋め尽くされた会場の熱気に圧倒され、近年の〈歴史ブーム〉を垣間見る思いがした▼この講演会と比べるつもりはないが、先月開かれた土木学会の第3回「土木史サロン」も、なかなか聞き応えのある内容だった。古市公威や青山士など明治・大正・昭和の時代に活躍した「近代土木の礎を築いたパイオニア」たちにスポットを当て、その人...続きを読む

回転窓/「急ぎません」は可能か [2017年10月3日1面]

 ファッションのネット通販サイト「ロコンド」が、「急ぎません。」便と名付けた配送サービスを導入して話題になっている▼客が特段急いでいないにもかかわらず当日や翌日に商品を届けるという過剰サービスを見直し、「急ぎません。」を選んだ客には送料を値引きするという。送料をまけてくれるならとこちらを選ぶ客は多いと伝えられる▼買った物は一刻も早く手にしたい-。時と場合によるだろうが、そうしたニーズが絶対ではない...続きを読む

回転窓/「その日」に備える重要性 [2017年10月2日1面]

 高校生まで静岡県で暮らしていたこともあり、9月1日の防災の日をはじめさまざまな機会に防災訓練を経験してきた。東海地震の発生を想定した訓練だけでなく、富士山の噴火を想定した訓練も行った記憶がある▼東海地震は駿河湾や静岡県の内陸部などを震源とするマグニチュード8クラスの大地震。日本で唯一「直前予知の可能性がある地震」とされ、政府は予知を前提とした「東海地震方式」の防災対策を40年近く続けてきた▼南海...続きを読む

回転窓/内側から見た記者クラブ [2017年9月29日1面]

 手元の辞書で「記者クラブ」を引いてみると、〈国会・官庁などで取材活動する各社の記者が親睦のため、また共同会見などの取材に便利なように組織した団体〉とある。明治期に始まったというそれは、日本独特の組織とされる▼記者クラブに対しては、取材の便宜を特権的に受けているのではないかと、非加盟の海外メディアやフリーランスの記者から批判が出ることが少なくない。確かに関係者以外の入室が制限されるなどの閉鎖的空間...続きを読む

回転窓/挑戦するリーダーを [2017年9月28日1面]

 「若い人がリスクを負ってチャレンジすべきだ」。地方に移住して街づくり事業を手掛けている30代の経営者がそう話していた。地域の食材を使う飲食店が開業。交流の場となる子育て施設なども建設している▼街づくりコンサルタントの知人は、故郷の離島で古い住宅のリノベーションを展開中。自身は故郷を離れたが、移住してくる若者もいる。「新しく来た人に生かしてもらえる場を作りたい」と東京と故郷を往復する▼印象に残った...続きを読む

回転窓/危険な生物ランキング [2017年9月27日1面]

 人間にとって、地球上で最も危険な生物は「蚊」だそうである。途上国を中心にマラリアやデング熱など命に関わる感染症を媒介するためで、蚊に刺されて死ぬ人の数は年間100万人近くに上るとの推計も。恐るべし▼グローバル化で海外との人や物の行き来が活発化する中、近年は日本でも蚊のほかにも、ヒアリ、セアカゴケグモなど小さな強敵への関心が高まっている。「蚊に刺されたぐらい」とばかにしてはいけない▼一方、日本で最...続きを読む

回転窓/600億円にふさわしい1票を [2017年9月26日1面]

 永田町にまたしても解散風が吹き荒れた。衆院議員の任期は4年だが、任期満了によって総選挙が行われたのは戦後、1976年の1度しかないという。任期を1年以上残したこの時期に伝家の宝刀を抜き、解散に踏み切る安倍首相の決断は果たしてどのような結果をもたらすだろう▼前回2014年の総選挙では、600億円余りの経費が税金から支出されたという。投票用紙や選挙ポスターの制作費、選挙管理委員会の事務費などが主な内...続きを読む

回転窓/観戦力を鍛えてみよう [2017年9月25日1面]

 女子テニスの世界ランク4位まで上り詰めた伊達公子さんが引退した。1996年にいったんコートを離れたが、2008年に37歳で現役復帰。けがを抱えながら9年半にわたって世界最高峰の舞台で輝きを放ち、2度目の引退を決断した▼「得意だから」との理由で、主導権を握りやすいサーブよりレシーブを好んだ。上がり際のボールをたたく「ライジングショット」が代名詞。テンポを変えてボールを打ち返す特技は、観客だけでなく...続きを読む

回転窓/異分野交流の果実 [2017年9月22日1面]

 太陽光発電と農業を両立させる「ソーラーシェアリング」が全国に広がっているそうだ。人気の理由は農産物と売電による二つの収入が期待できること。天候不順による不作や外国産との価格競争に備える農家に新たな収入源を生み出すことは、後継者確保にも役立つとみられる▼ソーラーシェアリングは農地に高い支柱を立てて太陽光発電設備を設置。下部空間で作物を育てる。営農の邪魔にならない支柱配置やパネル下に日差しを通す工夫...続きを読む

回転窓/ボランティアの存在感 [2017年9月21日1面]

 災害の被災地ではさまざまな形で支援の輪が広がる。国や自治体などの公的機関が行う「公助」。混乱した初動期に自衛隊や消防が最前線で被災者を救助する役割も大きい▼一方、自らの意思で現地に入り、支援の手を差しのべるボランティア。これも被災地の復旧・復興を後押しする存在として欠かせない。公助にも限界がある中、現場の細かなニーズをくみ取るボランティアの重要性は一段と高まりつつある▼政府開発援助(ODA)の一...続きを読む

回転窓/立山砂防を世界遺産に [2017年9月20日1面]

 2017年は「砂防の父」と呼ばれる赤木正雄(1887~1972年)の生誕130年。内務省新潟土木出張所立山砂防事務所(現国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所)の初代所長を務めるなど、日本の砂防事業に大きな功績を残した人である▼立山連峰を源流に富山湾へ注ぐ常願寺川は、立山カルデラから流出する土砂で洪水と氾濫を繰り返した。その災害史は立山砂防事務所のホームページに詳しい。川の名の由来が「氾濫が起き...続きを読む

回転窓/建築家による「日本の家」 [2017年9月19日1面]

 欧米の多くの国では建築家の仕事の中心は公共建築の設計だが、日本では一人の建築家が公共建築も個人住宅も手掛けることが珍しくない。建築界のノーベル賞といわれるプリツカー建築賞の日本人受賞者が多数の住宅建築を設計しているのは、実は驚くべきことなのだ▼もっとも、建築家が設計する住宅は全戸数の1%にも満たないという。住宅産業に大きな潮流を生み出すことはなく、ユニークで新鮮な造形に目が向けられやすい▼建築家...続きを読む

帝国データバンク史料館で社内報展示/鹿島・清水建設ら25誌をパネルやタブレットで [2017年9月19日1面]

 歴史に残して伝えたい社内報-。東京都新宿区の帝国データバンク史料館のテーマ展示で、厳選された25社の社内報が紹介されている。創刊から現在までの歩みと印象に残る特集、社内報担当者の生の声に触れられる。ゼネコンでは鹿島の「KAJIMA」と清水建設の「しみずまんすりー」がパネル展示されている。入場無料。12月29日まで。
 かつて社内報制作に携わり、「経団連推薦社内報」や「社内報アワード」など、全国...続きを読む

回転窓/施策を進めるための「うねり」 [2017年9月15日1面]

 公共工事品質確保促進法、建設業法、公共工事入札契約適正化法を一体で改正した「担い手3法」。14年5月に国会で成立してから3年数カ月が経過した▼3法に規定された事項は着々と進展している。先日、自宅に届く地元自治体の議会だよりを見ていたら、3法を巡る質疑が報告されていた。公共工事品確法に明記された「適正利潤の確保」などに対する認識が地方レベルでも浸透してきた表れだろう。施策が法律に基づく事項かそうで...続きを読む
中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む